出入国在留管理庁各種発表

出入国在留管理庁から「令和元年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について」「令和元年末現在における在留外国人数について」「本邦における不法残留者数について(令和2年1月1日現在)」「平成31年・令和元年の「在留資格取消件数」について」「令和元年に保護した人身取引(性的サービスや労働の強要等)の被害者数等について」「令和元年における入管法違反事件について」「送還忌避者の実態について(令和元年12月末現在)」の発表がありました。

外国人入国者数在留外国人数については、日本語教師養成講座の「日本語教育事情」でも取り上げていますが、日本語教育能力検定試験を受験する予定の方は必ずチェックしておいてください。

令和元年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について

令和元年の外国人入国者数(再入国者数を含む)は3,118万7,179人、再入国者数を除いた新規入国者数は2,840万2,509で、いずれも過去最高。
在留資格別の新規入国者数は、(1)「短期滞在」(2,781万548人)、次いで(2)「技能実習1号ロ」(16万7,405人)、(3)「留学」(12万1,637人)の順。
国籍・地域別の新規入国者数は、(1)中国(742万4,274人) が最も多く、次いで(2)韓国(533万9,079人)、(3)台湾(452万610人)の順。

令和元年末現在における在留外国人数について

令和元年末現在における中長期在留者数は262万636人、特別永住者数は31万2,501人で、合わせて在留外国人数は293万3,137人となり、過去最高。

国籍・地域別

(1) 中国 813,675人(+6.4%)
(2) 韓国 446,364人(-0.7%)
(3) ベトナム 411,968人 (+24.5%)
(4) フィリピン 282,798人 (+4.2%)
(5) ブラジル 211,677人 (+4.9%)
(7) インドネシア 66,860人 (+18.7%)


在留資格別

(1) 永住者 793,164人 (+2.8%)
(2) 技能実習 410,972人 (+25.2%)
(3) 留学 345,791人 (+2.6%)
(4) 特別永住者 312,501人 (-2.8%)
(5) 技術・人文知識・国際業務 271,999人 (+20.5%)

都道府県別

(1) 東京都 593,458人 (+4.5%)
(2) 愛知県 281,153人 (+7.7%)
(3) 大阪府 255,894人 (+7.0%)
(4) 神奈川県 235,233人 (+7.4%)
(5) 埼玉県 196,043人 (+8.5%)

本邦における不法残留者数について(令和2年1月1日現在)

令和2年1月1日現在の不法残留者数は 8万2,892人で、昨年より8,725人増加。

国籍・地域別では、1位 ベトナム(15,561人)、2位 韓国(12,563人)、3位 中国(10,902人)、4位 タイ(8,872人)、5位 フィリピン(6,061人)、6位 インドネシア(4,180人)。ベトナムは4,430人(39.8%)増、タイが1,392人(18.6%) 増、インドネシアが857人(25.8%)増と高い増加数および増加率。

平成31年・令和元年の「在留資格取消件数」について

平成31年及び令和元年の在留資格取消件数は993件。⇒在留資格取消とは

令和元年に保護した人身取引(性的サービスや労働の強要等)の被害者数等について

令和元年に出入国在留管理庁が人身取引(性的サービスや労働の強要等)の被害者として保護の手続きを執った外国人は12で、国籍は全員フィリピンでした。不法残留となっていた5人については在留特別許可が出ています。

令和元年における入管法違反事件について

令和元年中に出入国管理及び難民認定法違反により退去強制手続を執った外国人は1万9,386人で、平成30年に比べ3,117人の増加。国籍・地域別では、ベトナムが最も多く6,549人で全体の33.8%。違反事由では、不法入国349人、不法上陸134人、資格外活動255人、不法残留17,627人、刑罰法令違反448人、その他573人。

送還忌避者の実態について(令和元年12月末現在)

令和元年12月末現在、退去強制令書の発付を受けて収容中の者は942人で、このうち送還忌避者は649人。

【報道】

「異文化理解・心理」参考文献

講義を担当している日本語教師養成講座の「異文化理解・心理」で、受講者の方に配布する参考文献の一覧をブログ『しょうちゃん堂読書日記』にまとめました。⇒『しょうちゃん堂読書日記』2020年1月31日

2020年3月15日、以下の四冊をリストに加えました。

日本語教育能力検定試験対策としては下記3点がおすすめです。

受験を考えていらっしゃる方、ご参考まで。

「日本語教育事情」参考文献

講義を担当している日本語教師養成講座の「日本語教育事情」で、受講者の方に配布する参考文献の一覧をブログ『しょうちゃん堂読書日記』にまとめました。⇒『しょうちゃん堂読書日記』2020年2月16日

昨年「日本語教育の夏フェス」で講師をやらせていただいた際も、 「推薦図書」としてお勧めさせていただきましたが、 浅川晃広さんの『知っておきたい入管法 増える外国人と共生できるか』(平凡社新書) と望月優大さんの『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』(講談社現代新書) は本当にお勧めです。

あと、『しょうちゃん堂読書日記』の方には載せていませんでしたが、『OPIによる会話能力の評価 ―テスティング、教育、評価に生かす―』(凡人社)『日本語を教えるあなたに贈る応援マガジン 復刊 日本語』 も実際に配布する参考文献一覧には加えました。

『やさしい日本語』

庵功雄『やさしい日本語』(岩波新書)読了の件、ブログ『しょうちゃん堂読書日記』を更新しました。⇒2019年12月25日

関連ニュース

『日本語教育能力検定試験に合格するための 異文化理解』

鈴木伸子『日本語教育能力検定試験に合格するための 異文化理解』(アルク)を読了したので、ブログを更新しました。⇒ブログ『しょうちゃん堂読書日記』(2019.12.18)

現在、ニューヨークアカデミーの東京代々木校で講師をさせていただいていますが、「異文化理解・心理」では他に下記のテキストを参考文献とさせていただいています。

日本語教育能力検定試験

昨日は日本語教育能力検定試験でしたね。受験された皆さん、お疲れ様でした。

私が講師をさせていただいている日本語教師養成講座の受講生の方のお話では、「先生が授業で話されてたことが出題されてました」が、「話されてたなぁとは思ったけど、何と言ってたかは思い出せませんでした」ということで、残念!

皆さんの手応えは、いかがでしたか?日頃の勉強の成果は発揮できたでしょうか?

アルクの解答速報が出ています。早速、自己採点してみてください。因みに、マークシートで160点、正解率70%がおおよその合格ラインと言われています。ご参考まで。なお、他の機関から解答速報が出たら随時追加していきます。そちらもご参考ください。

【解答速報】

【来年の試験を目指される方】

アルクの「日本語教育能力検定試験 合格パック2020」が発売されました。私も昔受講した「NAFL日本語教師養成プログラム」に、当時はなかった検定対策の各種副教材がセットになった優れものです。今から1年じっくり本格的に学びたい方にお勧めです。


文部科学省「外国人の子供の教育の更なる充実に向けた就学状況等調査の実施及び調査結果(速報値)」

文部科学省が「外国人の子供の教育の更なる充実に向けた就学状況等調査の実施及び調査結果(速報値)」 を公表しました。

5月1日現在で「学齢相当の外国人の子供の住民基本台帳上の人数」は 124,049人。

  • 義務教育諸学校(国公私立小・中学校等)の就学者:96,395人
  • 外国人学校等 の就学者: 5,004人
  • 不就学(義務教育諸学校、外国人学校等のいずれにも就学していないことが確認できた者):1,000人
  • 出国・転居(住民基本台帳に記載が残っているが、実態としては既に転居・出国していること又は近日中 にその予定であることが確認できた者):3,047人
  • 就学状況の確認ができなかった者:8,768人
  • 「教育委員会が就学状況確認の対象としていな いため、就学状況が不明な者」等:9,886人

最後の 「教育委員会が就学状況確認の対象としていな いため、就学状況が不明な者」 って、なぜ「 就学状況確認の対象としていな い 」のでしょう?よく分かりません。

【報道】

「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30年度)」結果

文部科学省が「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」の結果を公表しました。⇒文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30年度)」の結果について

日本語指導が必要な児童生徒数 、50,759 人で前回調査より 6,812 人増加 、そのうち日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数は 40,485 人( 6,150 人 ・17.9%増) 、日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒数は 10,274 人( 662 人・6.9%増)。

今回調査から始まった「日本語指導が必要な高校生等の中退・進路状況」では、中退率9.6%(全高校生1.3%)、進学率42.2%(全高校生71.1%)となった。

『留学生アドバイジング』(ナカニシヤ出版)

『留学生アドバイジング』(ナカニシヤ出版)を読了。

事例が参考になる。その他、講師をさせていただいている日本語教師養成講座の「異文化理解・心理」の授業にも役に立ちそう。10月から新しく始まる別の養成講座でも「テキスト」の一冊として紹介させていただきました。

『日本語教育への道しるべ 第1巻 ことばのまなび手を知る』

『日本語教育への道しるべ 第1巻 ことばのまなび手を知る』(凡人社)を読了しました。

現在、授業を担当させていただいている日本語教師養成講座の科目でいうと、「日本語教育事情」「異文化理解・心理」の参考文献としてピッタリでした。

日本語教育能力検定試験の区分でいうと、「社会・文化・地域」「言語と社会」あたりが該当する感じでしょうか。⇒日本語教育能力検定試験「出題範囲等」

特に、海外の日本語教育事情とか日本語教育史に関しては、入門レベルのテキストがあまり見当たらないので、この本はちょうど良かったです。早速、授業のレジュメ作成に参考にさせていただきました。

ちなみに、このシリーズの監修者のお一人であり、第8章の執筆者でもある 石澤徹先生は、 9月7日にワークショップの講師をやらせていただく「日本語教育の夏フェス2019」を主催する ことばと学びでつながるなかまの会 (こまつなの会)の世話人さんでいらっしゃいます。今度お会いしたときに、サインしてもらおうかな。(笑)